駄文学日記

サーカス

2022-01-01から1年間の記事一覧

狭窄する認識の増幅と解体/町屋良平「ほんのこども」を読んで

書くという行為が何かに従属する、ということ。 なぜ従属か。何をするかわからない、思い通りにならない体に従っているから。 Pascal Quignard,La Haine de la musique,1996(パスカル・キニャール 博多かおる訳(2019)音楽の憎しみ 水声社 第一版 93ページ)

夢ではなく、夢を見る時間そのものとしての映画「マルメロの陽光」

第一段階 エリセの映画として 本作は夢見るための舞台装置として機能せず、夢の不在を肯定する。夢見る時間そのものが映される。 第二段階 ロペスが主人公の映画として 現実が夢の不在を肯定するが故に、本作は夢を見る装置として機能し、夢見る時間そのもの…